虐待された?腕が壊死した子猫の救出

虐待された?腕が壊死した子猫の救出
2025年7月24日
久高ダンテ発見者さんから写真が送られてきた瞬間
一つの言葉で頭がいっぱいになった。
「助けたい」
何があっても
どうにか助けてあげたい。

お家の駐車場から
必死に鳴いている声が
聞こえた発見者さんは、
自分の車の下で血まみれの子猫を見つけた。
血痕に気づいて辿っていくと
隣の畑からブロック1段分の高さから
落ちて、重傷を負っている体を
必死に引き摺りながら
助けを求めて人間の元へたどり着いた様子。

ひどく折れてぐにゃぐにゃになっている
腕を見ると、最初は交通事故を疑った。
沖縄は車社会で、車ひ跳ねられて
重傷を覆う子はキリがないほどだ。
しかし、病院に駆け出して
先生に通常のサイズの三倍まで
炎症で膨らんでいる足先を見てもらうと
「ロープか何かで縛られた?」と
聞かれた。
確かに数年前にロープで
足を縛れれて虐待を受けた
ヴェールちゃんの足と怪我の様子が同じ・・
ただ、保護した時点では
ロープなどは巻き付いていなかった。

レントゲンを撮ると
言葉を失った。
ここまで酷い骨折は初めて見た。
まるで腕が切断されたように
骨が完全に折れていて
もう繋がっていない状態。
しかも、後ろ足も
尻尾の骨も折れている・・
一体何があった?

交通事故だったら
大体同じ側が衝撃を受けて
怪我を負うが
腕は左側、足は右側・・
咬み傷など、カラスや他の
動物に襲われた形跡もなく
人に虐待されたのではないかと
疑っている。

このままでは壊死が全身に回って
敗血症で死ぬから緊急手術が必要。
ただ、ガリガリで体重は300gしかなく
体があまりにも弱っているから
麻酔から目が覚めないリスクが高い。
だから抗生剤で敗血症と戦って
腕の炎症を抑えながら
オペに向けて1週間ほど給餌を頑張って
体力をつけてから手術することになった。

小動物みたいに可愛く小さい。
そして鳥のように自由に動いてほしい
そんな想いを込めて
小鳥ちゃんと名付けた。
腕の激痛と不安で食欲がなく
美味しいご飯を目の前に置いても
食べようとしない・・
でも、シリンジで給餌をしたら
一生懸命飲み込む。
「生きたい!」と叫んでいるように
小さな声を出しながら。

手術ができる前に亡くならないかと
毎日不安に駆られていたが
抗生剤が効き始めて
腕の炎症がだいぶ引いた。
そして給餌の結果、
100g以上体重を増やして
少しずつ体力をつけることができた!

手術の前に、SNSの投稿で
エールをお願いしたら
数万人もの人が小鳥ちゃんを
気にかけて手術の無事を
一緒に願ってくれた。
こんなにもたくさんの人に
見守られている小鳥ちゃんは
なんて幸運の子・・

そして一人一人のご支援のおかげで
オペを受けさせることができた。
断脚の手術が無事に成功し
麻酔から目が覚めて
命が助かった!
段ボールの中で助けを求めていた時の
絶望に溺れた表情と
退院した時の希望に溢れた
明るい表情を見比べると
涙を流さずにはいられない。
壊死した腕は無くしたが、
きっとそのうちに3本の足で
遊び回れるようになるだろう。

激痛から解放された今は
「うまい!」と大声で喜びながら
嬉しそうにボウルに突っ込んで
もりもり食べている。
もっと大きくなってから
後ろ足のレントゲンを撮って
ピンを入れる手術で治せるかどうか
先生が検討するから
まだ治療は終わっていないが
小さな体で1番の山をも無事に乗り越えた。
お疲れ、小鳥ちゃん!
君は本当に強い子だよ。
後は
いっぱい食べて
いっぱい成長して
いっぱい3本の足で遊んで
幸せになろうね!
