お腹が空きすぎて助けを求めた子猫

お腹が空きすぎて助けを求めた子猫
2025年9月17日
久高 ダンテ沖縄のリゾートのエントランスで
ガリガリの白黒の子猫が
一日中ご飯を待って鳴いていると
数名もの宿泊者から通報が来た。
お母さんが事故に遭ったりして
置き去りにされたのかな?
腹が空きすぎて
一人ぼっちで周りの畑から
人の助けを求めに出てきた様子。

不衛生で汚いと言って
追い出そうとしている
従業員がいるらしく
そうなってしまうと
行方不明になって
救える命が救えなくなるから
急いでそのホテルに向かった。
片手にキャリーを持ち、
もう片手で赤ちゃんを抱きながら
駐車場からエントランスまで
駆け出した。

車の下、茂みの中、
リゾートの敷地で
小さな子猫が隠れる場所は
本当に無限にあるから
見つけるのに苦労するだろうと
慌てていたが
エントランスに近づくと
子供がしゃがんで笑いながら
何かを撫でている光景が
すぐ目に入った。
よかった!まだいる!

一番人通りが多いホテルの玄関に
捕獲機を設置することができなく
美味しいパウチの匂いで
キャリーの中までおびき寄せて
保護することにした。
「この子どうするの?」と
心配して声をかけてきた子供達に
「保護して安全なお家に連れて帰るよ」
と説明しながら
子猫を慎重にキャリーに誘導して
無事にレスキューができた。

そして、とても嬉しいことに
通報した宿泊者が
家族に迎えたいと言ってくれて
この子は早速一生のお家と
二度と飢えに苦しまない日々が
確定した!
譲渡の前に健康診断に連れて
便検査をしたら
マンソンという寄生虫が発覚された。
生きるために
必死に汚い水を飲んだり
小さな爬虫類を食べたりし
感染してしまったのだろう。
顔をよく見たら
唇の上が抉られていることにも気づき
一瞬自分の目を疑った。
まさか、こんな若い月齢で
好酸球性肉芽腫が発症しているだなんて。

「好酸球」という血液中の白血球が
免疫反応などで異常に集まって
潰瘍を引き起こす病気。
ステロイドで炎症反応を抑えると
よくなる子が多いが
一生なかなか治らないケースもあって
この子はまだ薬での改善が見られないから
その後者かもしれない・・

今は、まだ施設の治療部屋で
投薬を続けているが
新しい家族に引き続き肉芽腫の
治療を続けてもらうことになっているので
マンソンが完治したら
一生のお家へと旅立つ予定。
沖縄の方言で美しいを意味する
「ちゅら」という可愛い名前を
里親につけてもらったこの子は
これから美味しいご飯をいっぱい食べて
大好きな家族に好きなだけ
甘えられる日々が待っている。
