10cmの命、排水溝から赤ちゃん猫を救出
10cmの命、排水溝から赤ちゃん猫を救出
久高 ダンテ 2026年8月12日
朝一保護施設に着くと、
毛布に包まれた猫キャリーが
ドアの前に置かれていた。
スタッフが開いてみると
中には目がまだ開いていない
生まれたてのキジ猫が
ぐっすり眠っていた。
そしてキャリーの横に、
メモが貼ってあった。

「自宅付近の排水口から
救い出しました。
・・離乳するまでの間、
どうぞ宜しくお願いいたします」って。
話を聞くと、
拾った本人は里親になって
ペットとして飼う覚悟ができているが
2、3時間おきにミルクをあげて
育てることができないため、
一時的に保護して
お世話してもらいたいとのこと。

保護施設は猫が多い分、
どんなに毎日掃除を頑張って
対策を徹底的に打っても
やはり一般的な家庭よりは
猫風邪などの感染のリスクが高く、
免疫力がとても弱い赤ちゃんは
特に病気になりやすいから
ワクチンが全て終わるまでは
施設よりミルクボランティアの
お家でお世話してもらった方が
安全で子猫が元気に育つ。

それで、数年前に猫の毒殺が
多い地域の茂みの中から保護した
子猫のマロンちゃんの里親に
なってくれた女性に
ミルボラに興味がないかと
声をかけてみて、
嬉しいことに離乳するまで
育ててもらうこととなった!

しかし、一週間後に
目が開き始めたら
なんと大量の膿が出てきて、
目は感染症を起こしている様子。
他に症状がなく、
猫風邪ではなく
ただの運の悪い感染症のようで
幸いなことにすぐ薬で良くなって
両目が無事に開いた!
今までは音、匂い、感触だけで
生きてきて、初めて世界が
見えた瞬間は嬉しかったんだろう。

すごく甘えん坊で
頭の上に乗ったり、
鼻を甘噛みするのが大好きらしい。
歯が生え始めて
哺乳瓶の乳首を噛み噛みし始めたので
そろそろ離乳をスタート。
子猫にとって一番危険な時期は、
実は生まれて始めての一週間と、
離乳を始めるタイミング。
ミルクは栄養たっぷりで
水分んも多いから
十分に飲んでいたら
脱水も栄養失調もほぼ心配ないが
離乳食を食べ始める時は
まだ水とご飯を認識していなくて
自力で十分にとれないから
しっかり体調を見張って管理しないと
子猫が急変しやすくて
最悪の場合は死に至ることもある。

特に危ないのは、
子猫がちゃんとご飯を飲み込まず
口ぱくぱく動かして
舐めているだけの時が多いこと。
飼い主がご飯を噛んでいるのを見て
「よかった、食べている!」と安心して
数日後に、子猫がいきなり倒れて
ぐったりしている話は、
残念ながらよくある。
だから離乳の時期は、
毎日体重を測って
ちゃんとご飯を食べて
成長しているかどうかを
確認するのがとても大事。
人間の赤ちゃんのように
子猫も成長のペースがそれぞれで
自分ですぐご飯を認識して
うまく食べれる子がいれば、
シリンジで離乳食を給餌して
覚えさせるのに数週間も
苦戦しないといけない子もいる。

この子は、ミルボラのご家族が
ニャンピーと可愛く呼んでいるけど、
離乳が終わって元々拾った方の元に行くと
どんな名前になるのか、楽しみだね。
アメリカの保健所は、
ミルボラとして登録されている
ボランティアがとても多く
(と言っても、野良猫の数に
対してはまだ足りないが)
施設に連れてこられた赤ちゃん猫は
ワクチンが終わって免疫力が強まるまで
ミルボラのお家でお世話してもらうという
素晴らしい制度ができている。

自分の近所で助けが
必要な子猫を見つけて拾う一般人。
感染リスクが低いお家で
お世話するミルボラ。
そして連携をとって
その子の医療費、ご飯代などを
全て負担し、最終的にお世話しながら
里親を探し続ける保護団体。
そうやって、役割を分担して
力を合わせることができたら
多くの子猫の命を救うことができるから
沖縄でも、ミルボラの制度を
創るように頑張りたいところ。
先日、また非常に強い台風が
沖縄を直撃して
数えきれないほど多くの
赤ちゃん猫がその中で死んだと
思うと、本当に心が苦しすぎる。
みんながニャンピーのように
お腹いっぱいになるまで
美味しいミルクを飲んで
安全な室内で楽しく育って
里親に恵まれる未来を
必ず創りたい。
